とても寓話的で、とても建設的な話だった。ジブリっぽいから日本人の遺伝子に響きそう。
『燃ゆる女の肖像』のセリーヌ・シアマ監督最新作。
構図の芸術性、1つの演出に深遠たる感情を持たせる傑作だったから本作も期待大だった。
短い話ではあるし、台詞も少ない。短編を拡げたようにも感じた。
“森の先で出会った少女は8歳のママだった”というたったそれだけの話ではあるんだけどそこにやっぱり単純では無い人と人の話だった気がする。
「母である前に人である」という当たり前が美徳として蔓延していると思っているけど、「娘にとっては母である」という事実もまたあって、それをあどけなく（故に差し迫るように）訴えてきた。シアマはどっちの立場で描こうと思っていたのか分からないけど、どっちの立場としてもすごく説得力があった。
