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秘密の森の、その向こうのhydrangeaのレビュー・感想・評価

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)
4.3
少女たちの体格にずっしりとした重みがあって、これは空想や幻想ではなく、本当に起きている出来事なのだという説得力があった。
私は3年前に母を亡くしているので、登場人物の感情や振る舞いが自分の体験に重なった。31歳のマリオンは、母親を失うには早すぎる年齢だと思う。親が死んで、自分が誰かの娘でなくなるということは、それまで内包していた少女性ともお別れしなければならないような気持ちになるから。
好きな場面はたくさんあったが、そのうちの一つが、お誕生日の歌を二度歌ってもらうところ。

そして、ちゃんと「さよなら」が言えて、本当に良かった。お別れの挨拶って大切だ。

12月30日、2回目を鑑賞@下高井戸シネマ
お芝居ごっこのクオリティの高さに感心する。子供らしさを求められていない場面での2人の遊びは神聖だ。母の少女期のマリオンが同い年の娘に残す言葉「Tu n'as pas inventé ma tristesse (私の悲しみはあなたのせいじゃない)」に、この物語は集約されている。
ネリーがマリオンのお母さん(ネリーのお祖母さん)にネクタイを結んでもらうシーンが心に残る。
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