Omizu

コップ・ムービーのOmizuのレビュー・感想・評価

コップ・ムービー(2021年製作の映画)
3.2
【第71回ベルリン映画祭 芸術貢献賞】
ドキュメンタリーとフィクションの境目を曖昧にしつつ、メキシコの警察組織の実態を描いていくという試みは面白く、これをコンペにもってくるというのは流石ベルリンと思ってしまう。

まず一幕目は演者が「ラブ・パトロール」と呼ばれた警察官夫婦を演じ、二幕目で演者が実際に警察学校に入り訓練を受ける様子をみせ、三幕目でようやく実際の二人が出てくるという変わった構成。

メキシコの犯罪率の高さ故に警察官の死亡率が高く、わずか半年で卒業になってしまう。とにかく警察官が足りないため使い捨てのように補充される。賄賂や議員からの不当な圧力などメキシコ警察の腐敗具合が示される。

とはいえ、面白いかと言われると微妙。完全なドキュメンタリーではないし、どこまでがフィクションなのか分からない。どういうスタンスで楽しめばいいのか最後まで分からなかった。
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