このレビューはネタバレを含みます
ダン・スティーヴンスのロボット演技がすこぶる面白かったのだけど、優等生的に纏まりすぎている感じもしたなあ。女性側のキャラがエリート、知的、美人、倫理的にもまとも、で出来すぎているところにも妙味を感じなかったり。
やはり西洋社会は神/人間/動物/モノの階層にはっきりこだわっていて、女性主人公がわざわざ無神論者なの、と主張するところに、逆説的に神学的視点から逃れられないのだな、と感じたりも。
自分と相性が良いようにプログラムされたアンドロイドは自我の延長に過ぎず、そういうモノとの付き合いで自己は成長もしないから、アンドロイドを伴侶にするのは反対だ、的な意見も提示されるけど.......
社会では既にフィギュアとか、モノに愛情を注いで孤独を慰める人たちも多いわけで、人間/モノの障壁をそんなに高めることもないのでは? と思ってしまう。人間以外が愛情の対象であってもいい。映画のラストは現実の人間と向き合えない人間はダメ、みたいな短絡的な結論には走ってないように思える。
ということでラストでアルマに人間の恋人が現れたりしないところは良かった。