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アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイドのoimoのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

とある出来事によって心を閉ざしたアルマと彼女専用の完璧な伴侶として作られたAIアンドロイドトムとの奇妙な同棲生活を描いたドイツ産SFヒューマンドラマ。


コメディーっぽいなと気軽な気持ちで観だしたけど何か色々と考えさせられてしまったし、観客に委ねる形のふわっとした結末が残すあと引く余韻が面白かった。

家電に魂を委ねるなんて私にも無理。
どんなに学習を重ねて望ましい受け答えが出来たとしても、そこに無いものは無い。
あるフリをして自分を慰めるなんて惨め過ぎる。やっぱり人は、少なくともアルマにとっては、生きる上で寄り添って欲しいのは不完全でも未熟でも良いから対等な魂だったんだと思う。
途中で出てきたおじさんは若い女性のアンドロイドと出会えて心から幸せそうだったけど、確かにそう感じる人も男女問わず居るだろうな。
永遠に若くて反抗しなくて自分の望み通りに変化したりしなかったりしてくれる存在。不快感や違和感を全く感じず摩擦ゼロで都合良く孤独を埋めてくれる存在。

……やっぱり私にはなんか無理だ。

アルマと全く同じ感じの対応になりそうだしセックスなんて絶対出来ないと思う。
ただ現代だと生身の人間よりアンドロイドと居る方が良いと思う人の方が多そうだよな。それもめちゃくちゃ分かる。魂があるが故、愚かさ故の人間の醜悪さのリアルな描写にもああ…ってなったし。


アルマとトムはあの後どうなったんだろう。
これからもふわふわとずーっと考えてしまいそう。
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