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アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイドのkmiwのレビュー・感想・評価

4.0
フォロワさんのおすすめ、かつ先日アフターヤンを鑑賞し、人工知能に気分がフォーカスしていたので観てみました。

自分用にプログラミングされた理想の相手。それを愛の対象として受け入れることは、人としての自分を否定することになるんじゃないかという根本的な内心の問題は、当初アルマにはなかったと思う。なぜならそもそも機械としてトムを見ていたから。

それでも数日間の同居生活を経て、アルマは少しずつトムの反応を人格として認識するようになってしまう。
案の定愛着が沸いてくる。
人間の感情としては至極まっとう。

AIBOだってなんだって人は反応が得られるものには何かを期待する生き物だし。
それをばかばかしいの一言では片付けてはいけない。

アルマの父親は、人間だけれどもトムとは逆に(認知症か?)加速度つけて通常の反応が得られなくなる。
ディスコミニュケーションだ。
こうなるとどんなやり取りが果たして人間らしさなのかわからなくなってくる。
期待する反応が帰ってこないと人は悲しくなる。正常な状態に戻したくなるものだ。
しかし、想定外に対しても人は悦びを感じることはあり、かように人間の脳は複雑極まりない。

もし、トムレベルでのコミニュケーションが可能なアンドロイドを提供されたら、私的にぜんぜん有り。
むしろ、決定的な破滅には到らない関係を築けるようなので人間のパートナーよりも好ましいかも。
若い頃であれば異なる考えだっただろう。現状もう中年期過ぎであり、私の下らない冗談に笑って付き合ってくれるなら、たまにグチ聞いて慰めてくれるなら(下手なアドバイスはいらない)ロボットでもなんでも良い。
もちろん人間でも良いんだけどね。
人とはかように複雑な心を持つ厄介な生き物なんである。
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