ホン・サンス、近作があまりに撮りすぎ、かつ例の浮気以来不作?と思う節と自分が離れていた時期にめちゃくちゃ撮っていたので消化していく。
冒頭の神の不在への嘆き?祈りは、あまりに先祖帰りしたように、ホン・サンスがベスト映画に挙げていたブレッソンの『田舎司祭への日記』。かつ、どういう基準か分からないがたまにあるモノクロ作品なので、余計にブレッソンっぽい。かといって、今回は日記スタイルでないし、しっかりと3章構成になるし、本当にラフに撮るスタイルが極まっている。
この神へのテーマは、主人公が抱えるフィクションへの不信と重ねられる、最後には彼女からは病を告白、特に救いも答えもない世界。ブレッソンに近づきつつ、ネガティブでもポジティブでもない淡々と流れるだけのホンサンスの世界がある。