リラリオ

白い牛のバラッドのリラリオのレビュー・感想・評価

白い牛のバラッド(2020年製作の映画)
3.8
テヘランの牛乳工場で働きながら耳の聞こえない幼い娘ビタを育てるミナは、1年前に夫ババクを殺人罪で死刑に処せられたシングルマザー。

工場の稼ぎだけでは生活は厳しく…内職をする→ビタの親権を欲しがるババク父の伝書鳩ババク弟が訪ねてくる→伝言…ビタに会わせろ!ババクの貯金隠してるんだろ!→ババク弟「喪服やめて自分を第一に考えろ…自分を苦しめるな…」夫の死から1年経った今でも喪服を着ているミナ。

ある日、裁判所に呼び出される。そこで信じがたい事実を告げられる。
ババクが犯人とされた殺人事件の真犯人が捕まる…。
事件は…被害者、ババク、事件の証人1(被害者に借金あり)、証人2(被害者に借金あり)
ババク、被害者殴る(なぜ殴ったかは不明)→被害者失神→ババク逃げる→証人2、失神している被害者の頭ぶん殴り殺す→証人1と2、嘘の証言→ババク、自分が殺したと思い込み自白→死刑→証人1と2、仲間割れ→証人1、真犯人は証人2だと告発。
裁判所は失態を認め、2億7千万トマンの賠償金が支払われることになる(手に入るまでかなり時間がかかる)

ババクが冤罪と知り、深い衝撃を受ける→隣人で大家の妻「早く忘れな!嘆いても、死んだ人は戻ってこない。麻薬でもトルコのメロドラマでもなんでも、夢中になれるものを見つけなさいよ!」→納得のいかないミナ、再び裁判所へ→死刑判決を言い渡したアミニ判事に謝罪を要求→だが会わせてもらえず…帰宅。

ババクの友人、レザという男が訪ねてくる→昔、ババクに借りた金を返しに来たレザ→「金?そんなの初耳…」→1千万トマンの臨時収入に生活苦のミナ「ありがてぇ…」→伝書鳩ババク弟登場「賠償金で家を借りて一緒に暮らそう!」→大家は「知らねぇ男(レザ)を家に入れたな!!」と大激怒→アパートを追い出される。

アミニ判事に謝罪を求める広告を新聞に掲載→アパート探し→独身女、未亡人、ペットを飼う人、ジャンキーに貸す部屋はございません!→アパート見つからない→レザに遭遇→「所有する物件に空きがあるんだけど…どうでっか?」→レザから格安で部屋を借りることに…。

困った時に現れるスーパーヒーローレザ…オシャンティーな家に帰宅→息子マイサムの兵役を知る→レザ、仕事を辞めたことを報告→「なんで?無実の人、死刑にしたから?」
レザは、ババクに死刑判決を下したアミニ判事だった…。
無実の人を死刑にしてしまい苦しむ→ミナたちの力になろうとレザという偽名を使い近づく→裁判所に辞表提出→「判事全員が同じ結論ならそれは神のご意志、てか被告も自白したじゃん…」終わったことを気にしてもしゃーない、戻ってこいやと説得する上司→「いやいや、自分には…もう無理っス」

引越し完了→伝書鳩から電話→ババク父「母親失格で訴えてやる!」→「どうしよ…裁判絶対負ける」→レザ「友人が裁判所にいるから頼んであげるよ!」→3人でババクの墓参り→ピクニック→ミナ「楽しかった!火曜日、映画行きません?電話します…」これは…恋…?

レザから電話→マイサム、麻薬過剰摂取で死亡→急いでレザ宅へ向かう→ショックでぶっ倒れるレザ→病院へ→血圧上がり心臓発作寸前→1人にしておけず…自宅に連れて帰り、看病する→「好きなだけいてくれていい」→同居生活→2人は結ばれる…。

ババク父との裁判→勝訴!→「信じられない!判事が女性の味方するなんて!」→伝書鳩から電話「お前、誰のおかげで裁判勝ったと思ってるんだ?夫を殺した男と寝るなんてアバズレ女だな!」→「!!」
レザの正体を知ったミナが最後に下した決断は……。

冤罪を「すべてはアッラーの思し召し」で済ませる…Wow…。
神ってなんぞや…救いなしの映画でした。
リラリオ

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