河

アンラッキー・セックス またはイカれたポルノの河のレビュー・感想・評価

4.8
現代版魔女裁判みたいな話で、魔女がリベラルな女性教師、観客には陰謀論者、毒親、右翼、インテリ、歴史修正主義者とかがいて、共通の規範としてのモラルとか理念がなく、進行役もいない形式だけの民主主義 基本的に1対多になること、観客側は特に自分には責任がないから批判ではなくガヤになることとか含めて、SNSでの議論を会話に起こしたような最悪すぎるシットコムが続くから映像からの不快感がすごい

この感じで実際現実離れしてないというか、判断基準と進行の代わりに陰謀論とか噂話とか正しいから正しいみたいな基準だけが集団の共通項としてあったらそれはこうなりそう

ジョークが基本トーンとしてあるけど、しんどさが増してくるに連れジョークがジョークとして見えなくなってくる その状態で映画自体がジョークかもね!って感じの最強エンド持ってくるのがフルで嫌味っぽくて良かった

パート1で教師の行動を見せつつ街にあるものからモチーフを拾っていく、パート2でそのモチーフに対して小咄とかでふざけながら社会的なレイヤーを付与していく、パート3でパート2のモチーフや問題意識がシットコムの中でさらにエコーされることで社会的なスコープを維持し続けるみたいな構成になっていたように思った その構成でパート1はルーマニアのどこかにいる個人、パート3はその集団バージョンなのに、寓話感があるというか普遍性があったように感じた

ただどう考えてもアップしたの教師
河