【向き合う】
この物語は、
命と向き合い、
人生と向き合い、
そして、
自分自身と向き合う作品なのではないか。
ケベックの森は、それを考えるための舞台であり、ボイチョクの残した絵とマリーは、そのヒントなのだ。
燃え尽きたような森に落下してくる鳥。
焼け焦げた森に灯るように描かれた小さな炎。
絶望の中にあっても見出すことが出来る希望はあるのではないのか。
黄色い髪の女性の肖像。
愛した人がいたのだ。
長いこと精神病院に閉じ込められていたマリーが、森で生きる希望を見出したことは、チャーリーの生きるヒントになったのではないのか。
孤独を求めても、人は孤独で生きていくことは難しいのだ。
ボイチョクは、それを絵にして伝えたかったのではないのか。
トムの選択は悲しい。
孤独を求めても、生きる希望は必要なのではないのか。
あの森は、考える場所や時間を与えているのだ。