ワタナベ

やすらぎの森のワタナベのレビュー・感想・評価

やすらぎの森(2019年製作の映画)
2.0
色んな事情を抱える高齢の男女が社会と距離をおくためにカナダはケベックの人里離れた森の中で暮らす話。

つまらなくは無かったが、詰めが甘い感じがした。

途中で合流したおばあちゃん以外、森の中へ逃げ込んだ理由もはっきりしなかったり、納得できないものだったし。
大した大義もなしに、あんな方法で生活資金を得ていたのもあまり納得できなかった。

森の中ならではの生活もあまり見られなかった(湖での水浴びとウサギを捌いてたシーンぐらい)。
自分の中でもっと森の中でサバイブする様子が見たかったというのがあったのかもしれない。
自由の代償となる責任を背負って、たくましく、あるいは懸命に、もしくは森の中の不便さを楽しみながらのびのびと生きる姿が見たかった。
社会を捨て自由を得るために森の中へ非難するのはいいが、人生に疲れたからといって、不当な手段で生活資金を得て背を向けたはずの社会が生産する物資の恩恵は受け、自然の不便さとは向き合わずに人里離れた生活の利点だけいいとこどりするのが腑に落ちなかったのだと思う。金を稼ぐ手段がないなら自給自足するなりして自然と向き合えよ、と。

ギター持ってた老人の弾き語りはよかった。

ラストシーンも、主人公の男性はそんな選択するならもはや家族の所に戻ればいいのに、と思った。

上映後、観客のおじいちゃんが受付でパンフレットを買っていた。
おじいちゃんには何か刺さるものがあったのかもしれない。32歳の男が見るにはまだ早すぎる映画だったのだろうか。
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