ザック

やすらぎの森のザックのレビュー・感想・評価

やすらぎの森(2019年製作の映画)
3.8
《涙のち笑顔、いくつになっても》
恐らく久々のあまや座。今日は3本。本当にあまや座は観たくないと思うような作品が全く無くて、いつも興味をそそられます。

カナダのケベック州にある人里離れた深い森で暮らす老人達の交流を描いた物語。主演は2年前に享年88でお亡くなりになったアンドレ・ラシャベル。

カナダ・ケベック州、人里離れた深い森。湖のほとりにたたずむ小屋で年老いた3人の男性が愛犬たちと一緒に静かな暮らしを営んでいた。それぞれの理由で社会に背を向け、世捨て人となった彼ら。そんな時、ジェルトルード(演:アンドレ・ラシャベル)という女性がやって来る。彼女は不当な理由で精神科療養所に入れられ、60年以上も外界と隔絶した生活を強いられていた...。

設定自体はとても面白くて世捨て人の居場所に現実が浸食してくるように見える場面が印象的。
ただ、残念なことに自分のなかでは飲み込めない部分が多くあったかなと。登場人物が決断した行動の心理、特に終盤にかけてそれぞれが抱える思いが強くなるが故に理解しにくかった。
マリー(ジェルトルードの新しい名前)の60年という年月から訪れる新しい環境への恐怖はあると思う。しかしながら、それを森の緑と先輩老人の1人、チャーリーが優しく包み込んでいる様子はほっこりした。

2021年122本目
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