たぶん退屈なんだろうな、と思いつつ観たけれど、そんなことなかったです。
カナダの森のなかで「いない人」として生きる4人の老人。
各々の人生が徐々に明らかになると、その理由も理解できるようになります。
カナダのケベック州の美しい森。
そこで長いあいだ生活してきた3人の年取った男たちは、各々が犬をパートナーにして、魚やウサギを獲り、薪を燃やしてくらしています。
森の入り口にいる青年がたまに物資を運んでくれたりもしていて、この青年が連れてきた青年の叔母も、一緒に暮らすことになります。
カメラマンの女性が、ある山火事をテーマに取材していて、それに森の老人のひとりが関わってくるのだけれど、その取材シーンが縦糸になって、作品をしっかりとしたものに編み上げています。
驚くようなシーンもあったし、しっとりと魅せるシーンもありました。
この作品のなかでは、老人が美しいです。
若さには到底ないものを持つ老人の美しさを、堂々と提示しています。