T太郎

やすらぎの森のT太郎のレビュー・感想・評価

やすらぎの森(2019年製作の映画)
3.7
777
キャナダ映画だ。

キャナダのケベック州
ある森の奥深く、湖の畔に3人の世捨て人が住んでいる。
テッド、チャーリー、トム。
3人とも老人だ。

彼らを支援しているのが、あるホテルの雇われ支配人スティーブだ。
定期的に食糧や物資を彼らの元に運んでいる。

スティーブの年老いた伯母マリーは16歳の頃に精神科の施設に入れられ、60年間をそこで過ごしてきた。
とても不幸な女性である。

女性写真家のラフは数十年前に起きた大火事の取材をしている。
その過程でテッドの事を知り、スティーブのホテルを拠点にして森へと入っていく。

以上がこの物語の主な登場人物だ。
彼らが森に集い、静かに淡々とストーリーは進んでいくのだ。

起伏の少ない退屈な映画、などという感想もあるかもしれない。
若い頃の私であれば、そう思ってしまっただろう。

しかし、私も成長した。
こういう映画の良さが分かる年齢になってきたのである。
さすが私だ。

そんな私を見習い、じっくり没入して観賞していただきたい。
(何様?)

実は私も世を捨ててしまいたいという思いがある。
様々なしがらみから解き放たれ、ゆっくりとした自由な時間を過ごすなんて、実に素敵ではないか。
羨ましい。

きらびやかなネオンサインや美味しい料理、楽しいアクティビティや娯楽施設、麗しき美女たち。
それらを持ち込んでいいなら、世捨て人になってやってもいいと私は思っているのだ。
(何様?)

ささやかな願いだ。
是非とも叶えていただきたい。

色々見どころのある作品だ。
最後のスティーブの選択には男気というか感動を覚えたし、老人のベッドシーンは見てはいけない物を見ているような妙な感覚に陥ったし、キャナダの大自然は素晴らしいしで見応えたっぷりなのである。

気になった方はこのキャナダ映画を是非とも観て下さいね。
T太郎

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