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座頭市の歌が聞えるのmitakosamaのレビュー・感想・評価

座頭市の歌が聞える(1966年製作の映画)
3.5
座頭市の歌など一切聞こえてこない謎タイトルの13作目。

今回のライバルとなるゲストは天地茂。1作目の平手造酒の転生ですな。でもそこまで活躍しない。
もう一人のゲストが浜村純が演じる琵琶法師。コッチの方がオイシイ役どころだ。

市の全国行脚は群馬県。上州一ノ宮。今の富岡の辺りやね。ヤクザがいない宿場町かと聞いて行ったら思いっきり幅を利かせていた。

いつも通りチンピラヤクザをぶった切る市だが、今作では市の強さに上手くブレーキをかけている。
一つは子供が懐いている事。もう一つは琵琶法師の説法。盲目の気配の察知に関して一枚上手な琵琶法師に言われると市も引かざるを得なくなる。強キャラが立ち過ぎる市だけに、いかに弱体かさせるかが話の肝だもんな。

そして天地茂演じる浪人・黒部は身売りされた女を買うために用心棒を引き受ける。
はっきり言ってこの黒部がそこまでライバルとして個性を発揮していない。

寧ろヤクザ側が知恵を働かせ、太鼓をかき鳴らし市の耳を封じる作戦に出る。コッチの方がピンチを演出している。
座頭市は意外にも雑魚が工夫を凝らしてきた方が苦戦するパターンが多いのよね。
太鼓耳潰しは良い作戦だったのだが、何故か市には通じなかった。何故だ?この辺の説明は無い。(琵琶法師の説法が役立ったとかいう演出があれば説得力が増したのに)

しかし、市の人の悪さがどんどん加速している。最後にヤクザの親分の所に殴り込む時なんぞ、完全にイビリに行ってるもんな。
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