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明け方の若者たちのYAEPINのレビュー・感想・評価

明け方の若者たち(2021年製作の映画)
2.6
本作も、最近邦画のトレンドと言ってよい、「共感性羞恥系ホラー」の一つだろう。

とはいえ、演技と台詞回しがかなりとってつけたようにわざとらしくて、それぞれのシーンが再現ドラマにしか見えず、共感度合いすら低かった。

映像の質感からして、リアリティで若者を悶えさせたいという意図の作品であるはずなのに、さすがに2人の出会いも恋に落ちる過程もベタすぎて、誰かこれに思い入れられる人はいるのだろうかと疑問だった。

そして、「共感性羞恥系ホラー」に付きものの生々しい衝動的なセックスシーンに関しても、かなり白けてしまった。あまりに行為そのものがインスタント、かつカメラの位置も離れすぎていて、これまで観た濡場で1番馬鹿馬鹿しかった。
その様が滑稽すぎて、人と観ていたら逆に気まずくなってしまったと思う。

私は、マカロニえんぴつが主題歌を担当しているというきっかけで本作を観たが、音楽の使い方があまり上手くないと思った。
在りし日のヒット曲を使うことによって、観客の共感性羞恥とノスタルジーが最大限に膨らむということは『花束みたいな恋をした』で大いに証明されているにもかかわらず、主人公たちの世代と挿入歌の世代感にギャップがあることが気になった。
本作の若者たちは、2014年新卒入社、ストレートであれば1991年生まれになるが、マカロニえんぴつが現役高校生、大学生に支持を得ていることを考えると、さすがに彼らの音楽より主人公は1世代上なのではないだろうか。
正直RADWIMPSの世代かも怪しい。

そして、あまり関係ないが、カラオケで歌っている曲とBGMにかかっている曲が違うシーンはかなり不気味だった。

もう1点気になったのことに、東京中央印刷社さん、1つの会社にいる人種が多様すぎないか?笑
向上心たっぷりイケイケ社員と、安定運用に没頭する無骨な社員が同居しているのが奇妙だった。
数千人を抱える大企業なんてそんなものなのかもしれないが。

とか、色々グチグチ書いていたが、監督当時23歳なのか…その若さである程度同世代の心を掴む映画を作れている時点で、もう何も言えねえ。

黒島結菜ちゃんはとっても可愛かった。あんなん惚れてまうよね。
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