madokaaa

明け方の若者たちのmadokaaaのレビュー・感想・評価

明け方の若者たち(2021年製作の映画)
3.7
「私と飲んだ方が、楽しいかもよ?笑」
退屈な飲み会で出会った<彼女>に、一瞬で恋をした<僕>。
16文字から始まった沼のような5年間-。

2010年代の高円寺に、フジロック、エイリアンズとか、私たちのエモいが満載。

これを今の10代20代が観たらどう感じるのかなー。

雰囲気的には『ボクたちはみんな大人になれかった』時々『街の上で』な感じ。

登場人物の魅力とかストーリーとかじゃなくて、他人のSNSを覗き見してるような淡々とした描写が好み。

親友の尚人は「23,4才って、人生のマジックアワーだったんじゃないかと思う」と言うけど、わたしのマジックアワーはいつだったかな。

オール明けの明け方に出くわす、ピンクのような紫のようなアンニュイな空。
こんな綺麗なマジックアワーしばらく見てないよなあ。

あの頃が人生の青春だったんだって気付くのはいつも後のこと。

多くの人たちが経験したであろう蜜月の日々と失恋、息の詰まるような満員電車、夢見た未来とは異なる現在、週末の真夜中だけが救いだった頃。
現実を知れば知るほどに、理想は嘘臭くなってしまう?

大人になるって世の中の理不尽さを受け入れたり、諦めを知ることなのかしら。

<僕>の「好きだよ」に<彼女>の「ありがとう」の関係性が切ない。
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