ありめろん

ボーはおそれているのありめろんのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
3.4
過度な不安症を抱える主人公ボーが、母が死んだ連絡をきっかけに故郷へと帰るロードムービー(?)
精神障害を抱える人間が、街や人、世界全体をどんな風に見えているかが分かる映画。
アリアスター大好き❤️なただの信者のありめろんは、とてもワクワクしながら観に行ったよ。

地位と名誉、そして予算を手に入れたアリアスターの世界観が爆発して、とうとうやりたい放題しちゃった作品でしたね。
アリアスター節が炸裂してました。

ありめろん的考察。
ヘレディタリー、ミッドサマー、そしてボーはおそれている、の3作を通して、
アリアスター監督は家族というものにコンプレックスを抱いているのでは?と思った。
ヘレディタリーでは亡くなった祖母が遺した"何か"に翻弄され、悪夢よりも悪夢な悲劇に見舞われる家族を、
ミッドサマーでは家族を奪われた主人公のダニーに、歪んだ形で新しい家族を提供し、
そして本作では母により認知を、人生を歪まされたボーが生きる物語を描いた。
家族という強すぎる絆に、ホラーというフィルターをかけることで、より業が深く恐ろしい作品になるね。
なんかでも、次くらいからはそういうのも辞めそうな気がするけど。笑

ボーはおそれている、ではホラーというよりもブラックコメディのようだった。
キモい版のトゥルーマン・ショーみたいな感じ。

気になったのが劇中で多く使われていた 水 の表現。
ママン🤱の歪んだ愛情から見るに、羊水のメタファーでしょうね〜。
ありめろんは狂気の一家をお持ちなのですが、昔々兄が「色んなことが辛い。お母さんのお腹に還りたい。」と発言していたことを思い出しました。
ありめろんは残念ながら女なので理解し難いのですが、男は基本的にはマザコンらしいので、もしやそういう願望があったりするのかしら。とか思ったり。
胎内へ回帰すること、そしてそこへ向かうジャーニー。

母でもなく男でもないありめろんには、少し早すぎるお話しでした。

そして中盤にあった長尺if life妄想。
ボーは母からの呪いで、妄想したその人生を歩むことができない。
可哀想だなと思う反面、母親からするとそれは可哀想なことではない。そう、家族の呪いはとても根強いのだ…。

物語はアリアスターによって魔法にかけられ、奇天烈だけど考察しがいがある、そして癖になる映画になりましたとさ🎞️


考察が出揃ってから、もう一回観たい!


P.S.
やっぱりA24、今回も全裸を見ることができました!
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