きりかぶ

ボーはおそれているのきりかぶのネタバレレビュー・内容・結末

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

ボーはおそれている


ボクもです


現実で映画として観てるから異様な光景に見えるけどこれが自分の見てる夢なら何の抵抗もなく受け入れるんだろうなぁ
そう思うと夢って便利

人の意識とか記憶ってかなり曖昧なもので自分の都合のいいように解釈・改ざんしようとするところがあるように思うので、作中のありえない描写もボーの主観から生まれているのかもしれない

「GO HOME」というゲームの考察で飛び降りを迷う主人公の回想と苦悩というのがあったけど今作もそれと同じ構成なのかも?
奇しくも共に家に帰る話だわね

ただしボーはおそれているでは主人公ボーがしたくないこと、できないことに対して大掛かりな理由をつけて拒否しているシーンが多い

後半で母親が「あなたはいつも自分で決断をしない。いつも他人頼りで自分に選択する力がないと思っている」的なことを言ってたのがそのままなのかもだし
もしくはああいう主義の母親に育てられたから他責・現実逃避する性格に育っているのかもしれないし

恐らく映画全体がボーの主観なので第三者目線だとなにが現実で事実なのか全く判別できない


これがボーの完全な主観に基づいた回想もしくは走馬灯ならめちゃくちゃ好き
一貫性のある狂気は面白いし

そう思うとこれを無理に考察せず夢の中のように全て受け入れて、目が覚めて劇場を出たら「なんか不思議なの見たな…」くらいに思うだけというのもひとつの正解かもしれない


屋根裏のシーンは色んな意味で「え、えぇー…」ってなったし、夢オチや実験やトゥルーマン・ショーでは無くて安心したし、作中に出てくるまともな人間って車で送ってくれたおじ様だけだし(ボロボロの他人を車に乗せるのは異常かもだけど)、子供時代のぼーはCG感がものすごいし(あの子役は実在するんですか)

ミッドサマーに引き続きジャンプスケアを多用せずとにかく不安にさせてくれるのはありがたい

次回はどんな家族観を見せてくれるのかワクワクしちゃう
きりかぶ

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