『ボーはおそれている』の冒頭の30分、劇場で急激な眠気に襲われて寝てしまったから、感想を書けない!
2日後の今日、『ボーはおそれている』2回目を鑑賞してきた。
以前見たバラエティー番組を思い出した。
ラーメン屋の店主が、毎回より不味いラーメンを作って客に出す番組。
企画意図がよくわからない。
旨いラーメンを作ることは難しいが、不味いラーメンを作ることは簡単に出来るだろう。
アリ・アスター監督の『ボーはおそれている』は、その不味いラーメンを思い出した。
違和感と不条理を観客に延々、3時間観せる実験。
手法としては、デヴィッド・リンチ監督の『ブルー・ベルベット』や『マルホランド・ドライブ』といったカルト・ムービーに似ているが、〝映像のケレン味〟とでもいうのか、映画を観ている時に惹かれる何かが『ボーはおそれている』には欠けている。
『ボーはおそれている』はカルト性のない実験映画だ。
デヴィッド・リンチ監督の映画は、何度も観たくなる中毒性を秘めているが、『ボーはおそれている』にはそれがない。
いちど観れば充分だと感じる。
今の映画の興行収入というのは、リピート客の多寡が鍵と言ってもいい。
リピート客の見込めない『ボーはおそれている』が赤字になっても仕方ないのではないか?