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ボーはおそれているのせっのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
4.2
実家帰省映画。

母親の死んだと聞き、家に帰ることになった精神的に不安定なボーが、その道中訝しげな白人家庭に匿われたり、森の中のカルト的な集団に遭遇したりしながら、冒険をする話。

家に帰りたいけど帰りたくない、親に会いたいけど会いたくない、物理的に家に帰っても心は帰ってない、親への愛はどうやって伝えられるのか、意味不明なシーンが多かったけど少なくともボーの家族へのおそれは共感出来た。

白人家庭に身を置く2章で"家族"というものに飛び込んでみたり、3章では家族のように他人が生活する共同体に飛び込んでみたり。家に帰る話でちゃんと家に帰るのに、何故か家から逃げ続けている逃避行の旅に見える。自分の家族と向き合えないから他の集団ばっかり見ちゃう気持ちめっちゃ分かるからなぁ。

ボーは母親から愛されすぎているが故に悩み恐怖する。その愛からどうやって逃げられるか常に考えてるようにも見えるし、母親が大好きなマザコンにも見える。偉大な愛が怖いみたいな。全作の『ミッドサマー』のホルガ村も共に苦しみを共有する"優しい世界"を恐怖として描いていて、アリ・アスターって、全てを包み込んで愛情を与える母性を恐怖として捉える男性としては珍しい(偏見)人だなと思った。

でもやっぱ3時間めっちゃ長かったし普通に途中眠かった。最初の鬼治安悪い地域のアパートで生活するボーのとこはめっちゃ好きだったんだけどなぁ。路上にたむろする狂人達、物乞いだったって後で明かされて草すぎた。確かに「助けて助けて」って連呼してるヤツいたけど(笑)
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