たひち

ボーはおそれているのたひちのネタバレレビュー・内容・結末

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

事前印象ではボーが肥溜めを渡り歩きながら成長し実家に帰る冒険譚なのかな〜?と思っていたがアリアスターがそんな明るい映画作るわけがなかった。

自分の選択によって待ち受ける結果に怯え、依存的で不安症を抱えるボー。常に受け身でなぜ?どうしたらいい?何が正解なの?と問い続ける。冒頭からセラピストは自分がどう感じるかを問うがその質問すら回避し定かでない。

彼が今まで「流されてきた」ことのメタファーか知らんが、最終的にボートに乗り審判の地に漂流し、自問自答が始まる。

自分が「選択しないことを選択している」ことに無自覚なわけではない。ただおそれていただけだから。

僕は最低なドミサド人間なので、特に女性に対して受け身で悪い方向性に流される一方のボーの姿を、もっと、もっと!!と思いながら観た。

そんな彼が勇気を出して初めて自分で選択し行動したことが親殺しなのだが、今までずっと流されて逃げて生きてきた彼がそんな重責任を受け入れることなど出来るわけがなく、パンクして終わる。

愛は不定形だし、時に理不尽なのですね。
たひち

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