湯っ子

ボーはおそれているの湯っ子のレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
3.9
3時間かけて観てて、いちばん印象に残ったのは屋根裏のアイツ。

マザコン製造機を自認している私なので、主人公のボーよりもママの方に焦点が合い、なかなか身につまされる作品ではあった。
私はこの作品に出てくるような支配ママではなく溺愛ママだとは思うが、共通するのは家庭内で子供と相対した時の父親の存在感の薄さ。それをとても無邪気にタチの悪いいたずら書きみたいな感覚で可視化したアリ・アスターよ、おそろしい子…などと思いました。これを観た監督のパパはどう思ったのかしら、ママ心配。

実際、教育方針なんてたいそうなものはまったくなかったが、子供を育てる上でのさまざまな決定権は全面的に私が握っており、夫がたまに意見してきたとしても「たまに横から口挟んでくるけど、あんたにこの子らの何がわかるんじゃい」みたいに感じることは多々あった。口には出さなかったけど、まあ伝わってはいたよね。
今になってみれば、私はなかなかの暴君であったのだ。息子たちがわりと大きくなってからは、つまらん夫婦喧嘩をしていると、彼らはたいてい夫の側につくのがその証拠なのかもしれない。
映画のことに戻ると、まあ長かったね!
ボーの住んでるアパートと、ママのいる実家のシーンだけで話済んじゃうんじゃない?お金をたくさん出してもらえるんだから、やりたいこと全部やっちゃお!言いたいことは別にそんなにたくさんあるわけじゃないけどね!みたいな感じかな?
癖のある監督だけど、あまり陰鬱さとか屈折とかは感じない。けっこう笑えたし、くだらなかったし。うん、ママはまあまあ面白かったよ♡
湯っ子

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