3時間のボーの悪夢旅行。母親との関係に悩む主人公だと思っていたら、完全に強迫観念としてボーの全てをぶっ壊しにかかっている。母親という支配から逃れられないボー、彼が見えている景色は常に地獄でしかないのだけれど過去作のヘレディタリー、ミッドサマーにも通じる母性の呪縛だと思うと愛と憎悪の狭間でもがくボーに少しは感情移入もできた。
パンフレットが凄く凝っていて、作品も好きだったので是非鑑賞した人には読んで欲しい。買ってない人でも、公式HPで観た人限定完全解析ページがあるので鑑賞後の人は是非見てみてほしい。これを読んだらもう一回家で観たくなってる。
色んな人のレビューで気が狂いそうとか気分悪くなった、もう観たくないとか結構見たけど、私はミッドサマーの方がよっぽど帰りたくなったので人それぞれだなと。ちなみに私は結構好きで、最初ボーの家周辺で起きる事があまりにコントで笑えた。当事者は地獄だけど。
3時間悪夢を体感させたいとしたら成功だと思うけど、映画的にはやっぱり長い。笑 2時間くらいだったら体力的にももう少し気楽に観れるはず。中盤から後半にかけて冗長に感じるシーンもあって、これから観る人はアリ・アスター作品経験者の方が良さそう。ある意味過度な期待もないだろうし。
後半も突如現れた化身にやりやがった…感もあり、これからもアリ・アスター監督には楽しませてもらいたいので長生きしてほしい。次回作ももう決まってるようなので楽しみ。
物好きな方には是非劇場で。
