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ボーはおそれているのKEKEKEのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
4.0
- トゥルーマンショーおちんちんエディション
- シミュレーション仮説におけるマザーコンピューターの母性
- 『The Strange Thing About the Johnsons』が息子にペニスを握られた父親の映画だったのに対して、『ボー』は母親にペニスを握られた息子の映画だった

- 冒頭、今絶対に映さなくてもいいキンタマ映した!しかも裏から!!!!無意味にちんぽがたくさん出てくる!!!ってめっちゃテンション上がってたのに、後のシーンでちゃんと意味のあるキンタマやちんぽだったことがわかり少しだけガッカリした
- 映画って別に意味のないキンタマやちんぽを映してもいいと思う

- 以前銭湯でキンタマがパンパンに膨れ上がったおじいさんを見たことがあるが、当時は精巣上体炎という病気を知らなかったので歳の割にめちゃくちゃ精子が溜まってるのかなとかバカなことを考えてた
- でも今作に限ってはむしろそういう無邪気な見方が自然なような気がする
- 童貞なのに性病というギャグでもあり、私には肥大した精巣が母親に抑圧された男性性そのものとして描かれているようにしか見えなかったからだ
- 虐待の現場である屋根裏という空間が「主体性」と「男性性」を封印されたボーの無意識に重なり合い、そこにはifの自分とペニスの化け物が存在する
- アリアスターはボーの意識をフロイト的な精神空間に投影した
- 勿論メタファーだけど、コンドームを突き破るほどの射精ってどんなんだろ見てみたいな

- 『The Strange Thing About the Johnsons』で性的虐待関係を逆転し、エディプスコンプレックスにおける父性と母性の役割を転回させたように、監督は社会的役割や性の重ね合わせに表現の可能性を見出しているように思える
- コミューンで出会った妊婦に母親への愛を綴った聖母?の置物を渡すシーンで、それを明らかに握られたペニスのように映し、さらに全く同じ像が実家の庭にもあることがわかったとき背筋がゾクってなった
- 支配ってホラーだ!!Tarだ!
- 精巣上体炎の症状にも「分泌される性液に血液が混ざることがある」とあってすごくアリアスター的な病気だと感じた

- ペニス(男性としての主体性)を、血が滲むほどの握力で母親に握られることの恐怖
- ボーもしくはアスターにとって母親とは、彼自身のコンプレックスが重なり合う存在
- 女のことは女にしかわからないと自分で言ってしまっているように男のことも男にしかわからないのは自明なのだから、母親にとって息子に対する束縛や監視は至極効率的な支配の手法になり得たのだ

- 何回か出てくるホアキンの息止め足ピン顔真っ赤爆発2秒前みたいな顔芸すごすぎる
- 個人的な好みだとホアキンはこういう方向性の方がいい、ジョーカー2も見るけどね
- 殺人鬼に手を何度も突かれてるのに「どうして!?」しか言えないボーや、ビッグキンタマにナイフがサクサク刺さる描写、自分の肩越しに銃を乱射する退役軍人等、一切緊張感の無いスリラー描写が癖になる
- 何よりファーストセクションでボーがトラックに轢かれるまでの一連のコメディが超上質で、それだけで十分だっためっちゃ笑った
- 演劇のシーンはもっとどうにかならんかったんかなとは思う
- キンタマやちんぽが沢山出る映画が興行的に大失敗して、A24という巨大組織の形まで変えてるの死ぬほどおもろいから撮り続けて欲しい
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