アリ・スターの世界観が詰め込まれている。そしてそれに加えて、ホアキンの演技。この作品は間違いなく凄まじい。
3時間という長丁場に加えて、あまりにも時間が進むのが遅く感じる。そして、とにかく全てが悪い方向に進んでいく。ミッドサマーとはまた違った辛さがある。親子の愛、それは一方通行、そしてどんな物事も捉え方によっては善でもあり悪でもある。そんなことを伝えたいのかなぁ、とも思うがそれでも深すぎる。ところどころで遊び心というか、アリ・スターの悪ふざけみたいなのが出ているが、全体的に作品の暗さとは対照的な鮮やかさや華やかさを取り入れることで、より暗さを強調している。
もちろん、例にも漏れず消化不良（3時間もあるのに）で、最悪に最悪を重ねた、実に最悪な映画ではあるが、言わば、生きている中で必ず起こる辛いこと、を投影しているのかもしれない。
