IK

ボーはおそれているのIKのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
3.7
一体ナニ見せられてるんだ。

常に不安に苛まれているボーが持つ被害妄想や恐怖を、誇大化+具現化したような悪夢がほぼ3時間延々続き、ユダヤ人の歴史や家族の秘密なども巻き込みつつ、最後まで悪化の一途を辿っていく。
その道中では過去作同様何らかの頭部が破壊され、「スターシップ・トゥルーパーズ」みてぇな変な何かも出てきて手に負えない。そしてラストのぶん投げっぷりは正直「は?」とズッコケそうになった。
中には笑っちゃうようなシュールな展開もあるけど、当事者であるボーにとっては笑いごとじゃないよな。

ただ冷静に振り返ると、過去作「ヘレディタリー/継承」、「ミッドサマー」から続く家族に対する嫌悪感のようなものは今回も健在。特に母親との関係性や支配関係、どんでん返しの構成も踏まえると「ヘレディタリー/継承」により近い気が。

それにしても家族や母親に対してどこまで負い目を感じているんだ、アリ・アスター。
IK

IK