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ボーはおそれているのnao22のネタバレレビュー・内容・結末

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

終始、怯えた子供の顔と声色でボーは他人に救われたり、嫌われたりを繰り返す。
普通はありえない災難に見舞われ、その狂気っぷりに「あはは」と笑ってしまう。
冒頭はずっとそんなかんじで勢いあって楽しい。

ボーはセラピーの質問にも、大事な局面での「今夜にするか明日にするか」にも答えられない。
子供のままなのである。

セックスも寝てるだけで終わった。
遺伝でセックスしたら死ぬと思い込み、怖くてセックスできずにいたのに、あまりの快感と幸福感に安心し、感謝を告げた瞬間に相手が腹上死している展開がまた笑える。

そんな子供のような彼をさも助けるような素振りを見せた人間も、自身の思いどおりにボーが報いないとわかると豹変して悪意を豪速球で投げつけてくる。
そういう人間の厭なところをアリ・アスター監督は描くのが上手な気がします。

怪我をしまくるけどなんやかんや助かるのもすごい。
どこかで死んでてもおかしくないのに。
夢と現実が常に曖昧で、彼の頭の中を具現化した映像にこちらも混乱させられる。
発達障害者の目線(?)を描いていたり、過保護で独善的な毒親との関係であったりと、監督自身もこういったことを抱えてきたのかなぁと過ぎるシーンが多かった。

屋根裏部屋以降の展開なんかもうハチャメチャである。

正直いって、映像や演出やストーリーに感動するような映画では無いと思うけど、見終えた後に「やったね!アリ・アスター!」と讃えたくなった。

近年みた中でも上位のクソ映画だった(褒めてる)
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