いな

ボーはおそれているのいなのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
-
めちゃめちゃ面白くて、とんでもない作品がまた生まれてしまったと思いました。

お風呂入ってたら天井におじさんが張り付いてるとか、実はカウンセリングや看病していた人達が全て毒親的な母が仕組んだドッキリみたいな展開だとか怖さと笑いの紙一重感が非常に面白かった。恐らく全編に渡って不安に苛まれているボウの病的なまでの誇大妄想的な視点もあるので、これは母によるドッキリなのかボウの誇大妄想による勘違いなのかという所で「水曜日のダウンタウン」のドッキリ何個気付けるか的な感じでも見れた。

個人的に笑ってしまったと言うか凄い良かったのが、ボウが母親に糾弾される裁判みたいなシーンで日付と時間と合わせて過去に犯した過ち(ボウが迷子になりパニックになった母親を柱に隠れてボウが眺める、ボウが友達に母親の下着の臭いを嗅がせて好きな物をあげたり)を監視カメラの映像を見せながら糾弾するみたいなのは本当に笑ってしまったのだけど、そういうパニックなった母親を助ける決断が出来ない、友達に言われるがままに下着を見せてしまったりという描写がボウの人となりを表してるのと、そういうボウにしてしまった要因が母親にあるという所とボウのそういった性質に気付けず攻めてしまうって言う親子のコミュニケーション不全みたいな所とかは何だか悲しいと思ってしまった。

馬鹿馬鹿しいように思えてある種の家族(親子)の呪いという部分で過去作と一貫してるなと感じだし、こういう家族の在り方しか選べなかったと言う意味で切なさも非常に感じた作品だった。
いな

いな