白波

ボーはおそれているの白波のレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
4.3
劇場鑑賞
アリ・アスターの新作、しかも主演はホアキンという物凄い組み合わせ。どうしたって胸踊るでしょう。
目眩くような災厄の連続と、散りばめられた伏線やキーワードの数々。
夢か現か曖昧な世界を現在と過去が前後した構成でできているので、観ている者が不安定になります。
どれも魅力的なエピソードで、ボーの人生を追体験したかのよう。
情報量も多く、だからか鑑賞後の疲労感もすごい。
途中入るアニメーションパートでは「オオカミの家」のクリストバル・レオン&ホアキン・コシーニャが参加。
までは知っていたのですが、日本からも「ポケモンコンシェルジュ」のドワーフが参加してたんですね。びっくりしました。
この中盤に入るアニメーションパート。これまでのブラックなコメディタッチと違ってて、何というか潰されそうな気持ちになるんですね。中々に効いてました。
そうして今作でもありましたね、カメラの天地反転。ここから始まるのか…ってニヤリとさせられました。
そうしてひたすら悪夢の連続から逃れ、やっと家に辿り着くと数々の真相が見えてくるんですね。これはうまかったです。
マリア像、チャンネル78、外科医、タトゥの男、エレインとの再会と別れ、セラピスト、兄弟と父、そして作品冒頭から出ていた「MW」ロゴ。
羊水から始まり水に帰着する、それは母親の胎内に戻るようでした。
これは最初から最後までお母さんが作った物語だったのでしょう。
期待を裏切らない、すごい作品でした。
次作もホアキンとのタッグらしく、こちらも待ち遠しいです。
白波

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