コーディー

ボーはおそれているのコーディーのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
3.7
何ひとつ叶わない機能不全に陥った世界に囚われるボーが怪死したと知らせを受けた母を訪ねて悪夢の旅を彷徨い続ける…
母という目的地は定まってるのにそこに繋がる道は一向に定まらず、ならば克服の方法は?という終盤を迎える頃には疲れ果ててたw
けど不条理の羅列からの意思と否定に纏わる物語、嫌いじゃない!

無垢なボーが正しい事を求めて奔走するも、何の因果か〝異常〟に抑圧されていく…
そんな正気を保てない程の災難は、時折救いを匂わせながらも中盤以降ますます発狂展開を迎えるし、次々と弄ばれる彼を憐れみながらも結構笑ってしまった。

と、意味深なメタファーを散りばめた監督視点だけで終盤まで付き合わされるのは疲れたけど、早い段階で現実と悪夢の境界みたいなのを探しながら観るのをやめたのは正解だったかも…
大きく分けて特に森パートあたりで意識が飛びかけたけどwそこを越えれば監督の思惑と言うか、この物語が何を見せたいのかがザックリ理解できたし、終盤に流れるあの曲がこんなにもハマるのかと衝撃でした。

ただ仕組みはわかってもボーが本当はどうしたいのか、そんな思考すら曖昧なので、ただただ不憫でしかなかったし、クルーズ船や森パートだけじゃなく、あと少しで良いからボーの人間性について知れる描写があっても良かったな〜と個人的に。
まあ敢えてなんやろうけど。