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ボーはおそれているの8888のレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
4.4
すごい。うまいなあって感じ。
まず画角、色彩、構成は安定と信頼のうまさを感じる。こんだけ混雑して長い映画がとても短く感じたし、一瞬もダレなかったし、話に置いてかれるということもあまりなかった。
言いたかったことは最後のシーンに入っていて、提示で終わらず、作者の想い(もしくは経験)が入っているように感じた。扱っている題材的にもっと曖昧な雰囲気で終わらせると思っていたがそうではないから驚いた。
あのアリ•アスターがコメディをつくるっていうからどんなもんかなと思えば、なるほどね。「コメディってこういうことでしょ?」って言うかのようにコメディ要素を入れてくる。コメディとスリラーがうまい具合に混ざったのがすごい。おそらく扱っている世界観がこれだから良いんだと思った。サスペンステイストで続いてきたものにいきなりコメディ要素を挟んでくる。だから一瞬「はw?」ってなるけど、そういう断定されないあやふやな流れがこの映画の世界観を作る一つの要素として機能している。
色々とうまさを見せつけられた。アリ・アスターの手札の数というか、持ち合わせているオマージュの素材量も圧倒的だと思った。シーンが進むごとにアスターの意思を感じられて一つ一つに対して何か言いたくなってしまうような精密さを感じる。
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