独身童貞全裸中年男性のボーが母親が亡くなったという知らせを受けて家に帰ろうとするお話
日本上陸前から散々「普通につまらん」「退屈」と聞いていたおかげからなのか、予想以上に普通に楽しめた。
中盤からの、ボーがある共同体に入り込んではその共同体に破滅をもたらす...という流れを繰り返す部分はゴダールの『ウィークエンド』のような印象を受けた。死や破滅がもたらされるも、その死や破滅の悲しみが尾を引くことなくただ淡々と描かれ、予定調和的な不思議な映像の感覚を観客に受けさせるあの感じ！
支配的な母性の毒性とその支配に囚われたまま成長できなかった子供...と、描かれる内容は端的に纏められるが、その内容を様々な角度(子供の自律性、強迫観念)から描いているのが面白い。パート毎に繋がりはあまり無く独立して一つ一つのパートが成り立っているからこそ、シチュエーションコメディのような味わいがより増幅している。序盤の不条理も日常のあるあるとそんなわけが無いようなシュールな不気味さが共存している不思議な街の描写も面白く、騒音の場面と全裸中年男性のダッシュは思わず笑ってしまった。
3時間の長さはしっかり感じるものの、個人的には普通に面白かった！けどギガ・ちんちんはシュールさを狙いすぎているのとテーマを決定づけるアイテムにしてはその意図が分かり易すぎて微妙です...ギガ・ちんちんはあんまだな...
