エンプティーヘブン

ボーはおそれているのエンプティーヘブンのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
4.5
レオス・カラックス監督の「ホーリー・モーターズ」のような、アレックス・ガーランド監督の「MEN 同じ顔の男たち」を観ているような気がした。観終わった後の気持ちは後者を観た時に非常に近い。

途中までは自分なりの解釈をしながら観ていたが、ある時点から自分のやってることが無駄だと気づき、ただ眺めていた。

なぜここまで長く、何度も何度もひねていくのか。話が着地しそうで中々着地しないまま終わった感じ。

自分なりの結論。
監督は作品を物語として観ずに、なにか別の意味があるのではと深堀りするあるいは評価してくる評論家や観客らをあざ笑うような気がした。「あ、そう?じゃこれは?これは?これでも解釈できる?こんなクソみたいなのも?」な気持ちで次から次までぶっこんできたのではと。

ビートルズの「グラス・オニオン」という曲がある。ジョン・レノンによって書かれた歌詞は隠れた意味を探すファンや批評家たちへの揶揄する目的で書かれたとされる。

本作から「グラス・オニオン」の匂いがする。