あちゃーん

映画:フィッシュマンズのあちゃーんのネタバレレビュー・内容・結末

映画:フィッシュマンズ(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

わたし自身が最近子どもを産んだばかりということもあり、佐藤君のお母さんがインタビューに答える姿を見て、「たとえ子どもが死んだとしても、それでも生き続けなきゃいけないんだよな…」とふと考え込んでしまった。

フィッシュマンズのメンバーもきっとそうで、佐藤君を失った喪失感とか、ひょっとすると罪悪感や後悔を背負いながらも、各々の音を鳴らし続ける≒生き続けなくてはならないっていう、残された者たちの生の覚悟を感じた。

アルバム「ORANGE」は柑橘のオレンジではなくて夕暮れの色のことっていう話が印象的。20代特有の宝物みたいにキラキラして濃密な青春時代と仲間がいて、でもそれはいつしか過ぎ去って、出会いと別れを繰り返して変化していき、それはまるで夕暮れのような寂しさがあって…っていうのは凡庸な自分でもなんとなくわかる。

きっと、みんないろんな喪失や寂しさを持ちつつ、あの頃の宝物みたいなキラキラを心の何処かに大切に抱きながら、今を生きてるんだろうなあ、自分も頑張って生きよう、なんてことを考えた。
あちゃーん

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