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茜色に焼かれるのkazu1961のレビュー・感想・評価

茜色に焼かれる(2021年製作の映画)
4.2
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2021-672
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋石井裕也、監督脚本作品。やっぱり石井監督は凄い!!魂が震えるような作品です。尾野真千子演じる主人公田中良子が何度も口にする言葉、“まぁ、頑張りましょ。。。”この言葉の裏側に悲しみや怒りや慟哭が伝わってくるその演出がほんと凄いです。田中良子の夫(オダギリジョー)を轢き殺した元官僚の老人の香典が一人10000万円、その対比として田中良子と息子純平(和田庵)の生活費(時給980円、3800円、家賃26000円、食費3600円など)の格差がプロットされる演出も素晴らしいですね。

🖋負の連鎖、不幸の連鎖、貧富の差、それが止まらない社会。。。そんな現代の日本社会に警鐘を鳴らしながら、主人公たちの不幸の中に散りばめられた、一瞬の幸せの一つ一つに心が震えます。全てのコントラストの表現がほんと素晴らしい作品です。そして全てを乗り越えることができるのはやはり“愛”なんですね。。。エンディング近くでの茜色に焼けた空の下で良子と純平が自転車に乗ってるシーンは胸に響きます。。。(涙)

🖋そして何と言っても出演陣の演技の素晴らしさ。特に主演の尾野真千子喜怒哀楽の熱演に魅入ってしまいます。脇を固める永瀬正敏も良い味を出しています。

🖋観るものに衝撃と与え、その実どこまでも優しい空気に触れられる秀作です!!

😢Story:(参考:公式サイト)
1組の母と息子がいる。7年前、理不尽な交通事故で夫を亡くした母子。母の名前は田中良子。彼女は昔演劇に傾倒しており、お芝居が上手だ。中学生の息子・純平をひとりで育て、夫への賠償金は受け取らず、施設に入院している義父の面倒もみている。経営していたカフェはコロナ禍で破綻。花屋のバイトと夜の仕事の掛け持ちでも家計は苦しく、そのせいで息子はいじめにあっている。数年振りに会った同級生にはふられた。社会的弱者―それがなんだというのだ。そう、この全てが良子の人生を熱くしていくのだからー。はたして、彼女たちが最後の最後まで絶対に手放さなかったものとは?

🔸Database🔸
・邦題 :『茜色に焼かれる』
・原題 : ※※※
・製作国 : 日本
・初公開 : 2021
・日本公開 : 2021/05/21
・上映時間 : 144分
・受賞 : ※※※
・監督 : 石井裕也
・脚本 : 石井裕也
・原作 : ※※※
・撮影 : 鎌苅洋一
・音楽 : 石上淳一
・出演 : 尾野真千子、和田庵、片山友希、オダギリジョー、永瀬正敏、大塚ヒロタ、芹澤興人、前田亜季、笠原秀幸、鶴見辰吾、嶋田久作

🔸Overview (参考:Wikipedia)🔸
尾野真千子の4年ぶりとなる単独主演映画で、「舟を編む」「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」の石井裕也監督による人間ドラマ。7年前、理不尽な交通事故で夫を亡くした母と子。母の田中良子はかつて演劇に傾倒していたことがあり、芝居が得意だった。ひとりで中学生の息子・純平を育て、夫への賠償金は受け取らず、施設に入院している義父の面倒もみている。コロナ禍により経営していたカフェが破綻し、花屋のバイトと夜の仕事の掛け持ちでも家計は苦しく、そのせいで息子はいじめにあっている。そんな彼女たちが最後まで絶対に手放さないものがあった。社会的弱者として世の中の歪みに翻弄されながらも信念を貫き、たくましく生きる母の良子を尾野が体現。息子の純平役を「ミックス。」の和田庵が演じるほか、片山友希、オダギリジョー、永瀬正敏らが顔をそろえる。
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