母ちゃん

茜色に焼かれるの母ちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

茜色に焼かれる(2021年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

生きる意味とは?


7年前、理不尽な事故で夫を亡くした良子。ブレーキとアクセルを間違えて暴走した車に跳ねられる。だが相手は官僚で逮捕もされない‥ってどこかで聞いた事ある話ですよね。

一言の謝罪もなく、7年経ったからもう終わった事だと言われる良子。遺族に終わりなんてあるのか?

こんな出だしのこの映画。報われる事も喜びもない。

パート先では意味も分からず責められ挙句にはクビになり、息子は先輩に目をつけられベランダに火をつけられ、初恋の人との再会でいい感じになるも遊びだと分かる。

生きるとはこんなに大変なのか。
こんなに理不尽に溢れているのか。

それでも一生懸命働き、息子を育て、義父の施設のお金を払い、何故か亡き夫の不倫先の子供に養育費まで払う良子。

事故の賠償金は一切貰わず、相手から謝罪がなくとも、弁護士が全然会話が成り立たない相手でも怒らなかった良子。その良子が手を震わせながらお酒を飲むあのシーン。彼女は怒ってないわけでなく7年間グツグツ腹の奥底で煮えたぎってたんだね。ただ相手にぶつけなかっただけで。

生きるのは大変だ。
何故生きる?

それは息子がいるから。
ただそれだけ。

こんな理不尽な世の中だけど息子がいるから生きて行く。シンプルだけど1番大事な事。

2023/6本目
母ちゃん

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