みむさん

The Good Traitor(英題)のみむさんのレビュー・感想・評価

The Good Traitor(英題)(2020年製作の映画)
3.5
第二次大戦中のワシントン、祖国に従いドイツに協力するか、反逆罪になってもドイツに抵抗するかの選択を迫られる在米デンマーク大使官の話。

いきなりショッキングなシーンから始まり、なぜそこに至ったのかを1939年から遡って描く。

しばらく観ている限り序盤のあのシーンに結び付くような感じは全くない。
大使の戦略・策略・決断も確かに大きなものだったけど、なぜああなったのかが気になって仕方ない。

2つの面を描いた映画なんだなとだんだんわかってくる。
第二次大戦の緊張の中、国家の間で瀬戸際に立った状態で決断を下さなければいけない祖国からみた「裏切り者」(しかしナチスに抵抗した「良き裏切り者」)の面と、妻の妹との関係を妻から見た「裏切り者」の面。

主人公ヘンリクのキャスティングは妙に納得。本人に似ているのかどうかはわからないが、重大外交を担うにあたり立ち回りのうまさと自信に満ちた決断、説得力のある表情と清潔感はウルリク・トムセンがぴったりだった。
さらに妻とその妹の二人から愛される魅力を持つという意味でもぴったり。

良かれ悪かれ歴史に残る偉業をなしとげたにもかかわらず、なんとも後味の悪い人生だったんだな。

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