ペイン

ヘカテ デジタルリマスター版のペインのレビュー・感想・評価

4.5
U-NEXTで遂に見放題になった、ダニエル・シュミット作品を初体験。

リュミエール的なものは全然読まないのでよく知らないが、蓮實氏曰くイーストウッドやビクトル・エリセやヴィム・ヴェンダースと並ぶ“73年の世代”の1人だそう⬅️

恐らく映画史上最もゆっくりと露呈されていく恍惚の乳房…(・)(・)このバルコニーでの2人のラブシーンはあまりにも素晴らしい。

作曲家カルロス・ダレッシオのタンゴや、ゴダールやロメール作品の撮影を手掛けてきたレナート・ベルタによる、主張少なにこちらを引き込んで止まない上質な画作りにハッとさせられる。丁度この間観たばかりのファスビンダー監督の「マリア・ブラウンの結婚」とは、通底する部分もよくある作品ながら、語り口の巧さという意味では本作のシュミットが数段上回っている印象。

また、同じモロッコロケを慣行した“男の身滅ぼし映画”としては、私の好きなベルナルド・ベルトルッチ監督の『シェルタリング・スカイ』と表裏にあるような関係性の1作。また、ディオールの衣装も素晴らしい戦慄の傑作!

P.S.
お詳しい方によれば、
確かに本作はシュミットの代表作であり、
最も“洗練”された作品のようだが、その前の『ラ・パロマ』等の歪な倒錯ぶりは尚のこと衝撃らしいので、どうかこちらの配信も願うばかり🙇
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