海大

ヘカテ デジタルリマスター版の海大のレビュー・感想・評価

4.2
ものすごい充足感です、、、。
画がずっといいので、、。
それはおしゃれで大人な社交場に飾ってある絵のように、大人な雰囲気を常に含み、心を落ち着かせてくれる。
そしてずっと厳かで優美で深みのある画。安っぽいカットが一つもない。
音楽がそういう雰囲気を作っているのもある。

部屋の中の光と影の使い方や色がおもしろかった。
ステンドグラスから差し込む青とか緑の光と、斜線の影とか色んな影、青とか緑の壁。
2人が事後階段で寝そべるシーンは、ステンドグラスの緑色が差し込み、照らされる階段の手すりとか、クロチルドの体勢とか、そのクロチルドを中心に添えた構図がとても美しかった。
デジタルリマスター版のポスターにもなってた緑の壁のシーンの構図も凄まじかったな。
ただのヨーロッパの絵画だった。

小さな世界と大きな世界。
外交官という大きな世界を相手にする仕事に就く男が、1人の女性との小さな世界へのめり込んでいくのがおもしろかった。
セピア色で実際の当時の映像を使って世界情勢を映すことで、これまでの小さな世界とのギャップを感じることもできて良かった。

「何を考えている?」
「何も」
ラストシーンがすごく良かった。
ダニエル・シュミットの作品初めて見ましたがとても良かったと思います。
海大

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