アメリカで実際に起きた有名大学への裏口入学（作中では"通用口"入学）斡旋事件についてのドキュメンタリー。
バスケコーチだった主犯のリック・シンガーは富裕層の親から金を受け取る代わりに子どもを大学に入れると約束。大学のマイナースポーツクラブのコーチに賄賂を渡す、あるいは替え玉受験によって大学への違法な斡旋入学を実現させていた驚愕の事件。
再現ドラマとともに、実際に事件に関与したスタンフォード大のヨットコーチや彼を知る女性がインタビューに応じており彼の手口や人となりが分かりやすく描写されていた。どうしてこんなことをしたんだろう？と思った。おそらく目的や意思がない、きわめて空虚な人間なんだろうなと話を聞いていて思った。
話の最後、おかしいのは不正に入学させたい親よりも、ランキングを意識している大学や入試制度のほうだと論ずる。しかし件の事件で大学側には「富裕層もお金を積んででも入学させたいところ」という箔がついてしまった、というのがなんとも皮肉やなーと思った。
