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アミューズメント・パークのmのレビュー・感想・評価

アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)
2.0
老人を大切にせよ、というメッセージは伝わるが、老人が老いているという事実も事実であり、不条理に見えてもそこにはきちんとした理由があんだよと思ってしまった作品。

ジャケットが可愛いのと話題作だったので観て観ましたが、なにぶんつまらない。1973年に製作されたが半世紀近くも未発表作品になってしまったそうで、そこになにか理由があるのかしら?鬱?グロ?など期待して観たが、多分つまらなかっただけだと思う。

まず最初の入りが好きじゃない。監督?なのかなある男性が歩いてきて「皆さんも歳を取ります。老人を大切に」と話してストーリーが始まる。もう説教的な作品だというのが話されていて萎える。そういうのは観終わった私たちが「あぁ、老人大切にしよ」と思う・思わせられるのが映画なのではないだろうか。追体験が映画の醍醐味であるのにそういう意図があると言われてしまえば、なんだかなぁ、としか思えなくなる。

またメタファーがメタファーとしてきちんと描かれていない。遊園地を老人が見る社会としてメタファーされているが明白すぎて…。前半はただただ老人が遊園地を徘徊するというだけのストーリーで眠くなった。

老人を大切にしよう、自分も歳を取るというのは凄く理解していて大切なことだというのを前提に話したい。
凄く感じられたのは老人を大切にしよう、というのは分かるが主人公がなにぶん可愛らしくなくて(顔がじゃなくてね態度が)
車を取り上げられ、長い列車に乗る描写があるが、なぜ車を取り上げられたのかきちんと理解していない頑固おじさんに見えて仕方がなかった。なぜ、車を取り上げられたのか。それは事故を起こしたから。主人公が悪くなくても老いて認知機能が低下したまま車に乗るのは危ないから。
そういう老いていくことによりルールが加算されていくのは悲しいが、それを認められない主人公を見て今作は不条理とはまた違う話だと思った。
要所要所に主人公の老いとは違うズレさに共感が出来なかった。
『ファーザー』のように混乱している様子を描いてくれたら共感出来たかもしれない。

今作を観て感じたのは、老いてからも健気さ・真摯さを忘れてはならないなということ。

cc/老人は大切に。
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