慢性眼精疲労でおます

アミューズメント・パークの慢性眼精疲労でおますのレビュー・感想・評価

アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)
2.8
1969年にアメリカでバトラーという人がエイジズムという言葉を使って「高齢者を高齢者という枠にはめて、歳取ってるという理由だけで差別すること」を批判し始めてから、1970年代は反エイジズムの時代だったらしい。そのさなかに作られた映画。大変な目にあう老人を見せてこのままではいかんと思わせるのが狙いで、その通りになります。

もっとも、アメリカでは1960年代以前からすでに『老い』を科学的に探究する学問があったり高齢者を対象とする社会学によって孤独な老人の問題を明らかにしようとする試みがあったらしく、人種差別や性差別による公民権の侵害をなくそうとする運動が1950年代以降に展開されるのとともに高齢者に対する差別をなくす動きもあり、1960年代に高齢者法が制定されるなど法整備が始まった。

今となっては定年退職が違法だとかアメリカの社会は高齢者に親切になったようだけど、日本は当時のアメリカ以上に高齢化が進んでいる筈。健康保険や介護施設なんかはしっかりしてて、病気になったり働けなくなった高齢者はよいサポートが受けられるような気もするけど、社会への参加を促す観点では十分ではない気がする。僕らが高齢者になる頃には他の年代との断絶がないようなインフラが整って、孤独死も減るといいですね。