Carroll

ブラック・スマイルのCarrollのレビュー・感想・評価

ブラック・スマイル(2017年製作の映画)
3.8
ナニーって単語があることをこの作品で知りました。ベビーシッターの文化が浸透しているアメリカ人には身近に感じる恐怖なのでは無いでしょうか?

夫と死別したシングルマザーは元気はつらつなイケメン兄弟を見てもらうためのナニーを探していました。近所の親友と面接を行うものの、どの人もパッとしない。今日はダメかなーなんて思っていたところ、最後にやってきたイケメン学生。急遽見てもらった数時間の完璧な仕事ぶりに惚れ込み、即決で彼と契約を交わすことになるが、、、

身近に潜む狂人の恐怖を描いた作品です。人当たりもよく見た目も素晴らしいのに致命的に精神を病んでいる人間。あなたの周りにも潜んでいるかも?

前半はイケメンサイコパスのアレックス君にスポットが当たります。彼が如何にして幸せな家庭に土足で踏込み自分の欲求を満たすために行動していくのか。こそこそとその悪行を行うためのスニーキングがバレてしまうのでは無いかとヒヤヒヤさせられ、いつのまにかサイコパスアレックス君に感情移入してしまうことでしょう。悪役にスポットを当てる展開は少し珍しさを感じました。

緻密?な計画が無事完遂されるかと思いきや、最後の最後で本性がバレてしまい、ラストにかけてはもうなりふり構わず暴力的な行動に出ます。その変貌ぶりに恐ろしさを感じます。急にターゲットの幼気な母子家族に主観がシフトします。そこが面白いです。

イントロ以外は人が死ぬこともなく、安心して見られます。母性への異常な執着が気持ち悪いくらいで安心して観られますね。

低予算ながら意外と丁寧な作りとなっており、エンディングまで楽しめる作品でした。少し後味の悪いラストも気持ち悪さが残って良かったです!
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