まつり

ブラックボックス:音声分析捜査のまつりのレビュー・感想・評価

4.5
音の映画、だと思ってみたけどまさしくそうだった。130分集中してみられた。
終わり方まで全部よき。

聴覚過敏の人の音の世界を表現してくれているのもよかった。
マチューのアイデンティティについては不明だけど、一定発達の凹凸はある感じ。
ノイズキャンセリングで生きやすくなったよね…得意が生きるお仕事ができてよかったね…と思ったけど一筋縄では行かないお仕事なので終始ハラハラ、ドキドキ、おお!ってなる。お前を信じたらいいんか?違うんか??ってなりながら見るので映画館で集中して見るのがおすすめ。

前半でマチューの聴覚の凄さを見せられるからまんまと信じてしまうけれど、段々と、「聴覚情報だけで全てを判断するということ」の危うさにも気付かされてしまう構成はすごくよかった。

冒頭からマチューが結婚してるのが意外!って思っていたらパートナーがバリキャリ女性で素敵な人だし、仕事死ぬほど忙しい時もセックスするし、フランス映画のそういうところが好き。
配役のジェンダーとかエスニシティも考えてるんだろうなあと思ったりした。
ポスターにもなってる、マチューの眼鏡にPCの明かりが反射するカットが意識的に多くてなんか素敵だった。ヘッドホンやイヤホンをするときの音も。

終わり方も個人的にはフランス映画らしくてめちゃくちゃすきだった。
最後に余韻を残す感じが好きな人にはおすすめ。
アメリカの映画だったらこうはならないよな、って感じ。いい映画でした。
帰り道にふと、2人の関係性に思いを馳せて泣けた。

試写会にて。
まつり

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