完成披露試写会にて鑑賞いたしました。原作未読ドラマ未見。
まず映像がとても綺麗。青春の瑞々しい風景が丁寧に描かれているからこそ登場人物の痛々しさみたいなものが鮮明に映えるのだと思います。
純くんはふつうになりたいと苦しみながらも結果的に二股をしてしまうし三浦さんは好きなものにはまっすぐだけどそれ故に周りが見えなくなってしまう痛い腐女子感がリアル。それぞれの役を演じた神尾楓珠さんも山田杏奈さんもとても説得力を感じる演技だったかと思います。
その他の登場人物にも見られるように視点を変えると誰もが正しくて誰もが少し間違っているような物語なんですよね。正しいことを言おうとして結果的にレッテル貼りをしてしまうクラスメイトと一見間違いだらけのような小野くんが純くんに向き合っていた対比が印象的でした。
難しい題材の作品だったと思います。レッテル貼りをせずに相手にきちんと向き合うことの大切さとうまくいかなさも含め非常にいい作品だったと思います。
(原作者の浅原ナオトさんが好きな小説としてずっと『GO』を勧めているのを拝見しました。この作品も一旦の拒絶からの歩み寄りをする作品であることや爽やかさと重さの両立に通ずるものがあると思いました。)
あとこれは完全に余談なのですが「自分と似た人を好きになる」というくだりがあるので純くん役の神尾楓珠さんとマコトさん役の今井翼さんのお二方の顔の造形に似たものを感じたのが個人的に嬉しかったです。絵面が本当にお強い。
