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彼女が好きなものはのあのネタバレレビュー・内容・結末

彼女が好きなものは(2021年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃ良い。

LGBTQを取り扱う作品って過度に美化されがちというか、幸せな二人、理解のある周囲の人々の優しい世界になりがちな印象あるけど、非マイノリティの無邪気さとか無神経さみたいなのを浮き彫りにしてて、それに押しつぶされるマイノリティの葛藤に焦点を当ててる。その上で青春映画としての恋愛そのものに対する葛藤や友人との関わり方や主人公の成長的な要素も兼ね備えている。

やっぱりディスカッションのシーンめちゃくちゃ印象的。
「言ってくれればいいのに」「俺はアリだと思う」とか他にも、日頃耳にする「免疫ある」「抵抗ない」「うけいれてあげよう」という言葉の端々に対等でなく上からのニュアンスが含まれるということを秀逸に表してるとおもった。

トークセッションで質問中に出た「私は耐性がある方」という言葉に対して、監督は「僕はその耐性があるって言葉にもチクッと感じます」と正直に伝えていた。それだけでこの映画観て良かったなと思った。

良し悪しでも正誤でも善悪でもない問題に対して、他人を傷つけずにいることは不可能。
LGBTQという言葉が浸透しつつあり、その存在や実体が目にみえるようになってきたからこそ、その言葉に囚われず、カテゴリーで向き合うのではなく、単純に人と人として向き合えるかどうかが問われてる気がする。
そしてそれはLGBTQだけの話じゃなく、全てにおいてそうなのだと思う。

山田杏奈は役によってオーラ調整できる能力ある気がする。上手い。
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