ゲイと腐女子の邂逅と恋。そこから紡ぐ深遠なテーマ。
人を好きになるということ。
その相手が同性愛者であること。
恋愛自体が博打なのに、相手の趣向が自分と違う。
それでも理解したいと思う強さ。
相手が自分の性指向と合致しなくても、
自分のことを好きと言ってくれるのは嬉しいし、
それに応えてあげたいと思うのは当たり前の感情で、
幸せを望むのも当たり前で。それを否定すると真っ暗で……。
人間社会ってうまく回らない。
人情に厚い人。
必死に耐えている人。
笑ってしあわせを守ろうとする人。
みんながみんな正しくて愛おしくて愚かだ。
それでも、この世界は優しい人たちで溢れている。
それはたしかなこと。
たぶん、大人たちが「変えていこう!」と声をあげても変えられないことを、若い人たちが自然に、実にあっけらかんと世の中は変えていくんだろう。そうあってほしい。
どうしてこう思うかといえば、僕が生まれる寸前まで、
ベルリンが壁で分断されていた時代があったらしい。
どんなに調べても、そんな時代があったことが信じられない。
常識なんてそんなもん。
未来は若い人たちが自然と作るのだろう。
大変いい映画だった。