原作読了済。
概ね原作通りだけど、それのみならず映像作品としても秀逸。
討論会のところもそうだけど、よみうりランドのシーンとか、随所に見える高校生らしい薄らとした気味の悪さによく覚えがある。なまぬるい不快感。演出の妙。
許すとか許さないとか、認めるとか認めないとか、そういうのぜんぶだるい。それはそれとして在るものに過ぎないだろうに。
普通なんて、この世界にはなにひとつとてないよ。みんな少しずつヘンだし、だからこそ面白いし、愛おしいんじゃん。
なんて、自分は抑圧されてきた側じゃないから、というよりか、抑圧に気が付かないでいられた側だから、言えるのかもしれないね。
世界を単純にして、逃げてきた、目を背けてきた、そうして、苦しくないように生きてきたから。そういう性質だから、なのかもしれない。
摩擦がない世界では、誰もが歩いてゆけない。摩擦を無視しないで、理解を諦めないで。理想論なんかじゃなくて、今、君についての話をしよう。
三浦さんや亮平のまっすぐなさまが眩しい。誰かを救いうる光。そういう存在。未熟でも、だからこそ、純粋に、走ってゆける。山田杏奈と前田旺志郎の名演。
