Oryza

彼女が好きなものはのOryzaのネタバレレビュー・内容・結末

彼女が好きなものは(2021年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

ディスカッションで口々に"全然いいと思う、アリだと思う"って言葉が出てたけど、そりゃあんな授業されたら"自分は受け入れられない"なんて言えないよ、今度はそっちが悪者扱い。理解したければそうしようと努めるのも素敵だし、寄り添うのも勿論素晴らしいし、でも別に理解できないなら、へーそうですかって、そういう人もいるのねーって、サバンナで低木の葉をむしる動物と地面の草を食む動物がただ生きてるみたいに、攻撃もせずかといって無理に仲良くもせず、共存するのだって良いことだ。愛の対義語は無関心だって言うけど、無関心の欠けた平和など成り立ち得ない筈だ。人と人は違うから。(追記:皆が"ただ生きる"を実現する為の、制度やツールや施設のつくり、社会のあり方、選択肢、そういった前進は無関心からは生まれないんだよね。)
他人の心は完全には理解できないし、相手は理解を望んでいないかもしれない。自分には受け入れ難い趣味嗜好思想を持つ相手はどうしても存在して、そういう相手を"受け入れられない"と感じること自体に善悪はなくて、でも同じ星で共に生きていけたらいいなと思う。

本筋とズレてしまった。苦しみとか思うこと考えることいっぱいあったけど上手く言葉にならない。ただ旺志郎はいつも本当にいい演技をするなあ、一番泣かせてきたのは亮平だったよ。


(追記)
知らないが故に無意識に掛けている重み(("パートナー"ではなく)「彼女(彼氏)いる?」って訊いたりとか)の大きさについては、無関心で片付けていいものではないな、難しい。
色々な人がいることを、人が自分と違うと言うことを、知ろうとする気持ちと、知った上での無関心、どちらも持つべきということだろうか。まだわからない。
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